なぜiPhoneはそんなに人気なのか?
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なぜiPhoneは、そんなに人気があるのか?たくさんあるスマートフォンの中でなぜiPhoneだけそんなに騒ぐのか?気になった事はありませんか?
今年もiPhone 12シリーズが発売になりました。毎年9月(2020年は10月)Apple社から新型のiPhoneが特別イベントで発表になり、その1週間後から発売を迎えます。
例年発表前から新型iPhone情報がネット上で飛び交い、いろんな憶測が期待感を膨らませます。又、近年はそれほどでは無くなりましたが、いち早くiPhoneを手に入れようと発売日前日から長蛇の列を成す程で、キャリアの発売イベントやそれがニュースになったりと、まるで1年の行事の1つかのように扱われます。
他のスマートフォンでは、こういった事は起こらず、iPhoneにだけの事です。なぜこういった事が起こるのでしょうか?iPhoneがなぜこれだけ騒がれ人気なのかを独自の見解を踏まえ解説したいと思います。
iPhoneのブランディング
まず、冒頭で申し上げた発表前の事前の憶測や特別イベントでの発表。これらは、iPhone人気の理由の一つでもあります。いわゆるブランディングの1つで、あえて事前に情報を出さない事で世間の憶測や推測を掻き立てているのではないでしょうか。
iPhoneを発売するApple社は発表に合わせ、特別イベントを開催する旨の情報だけを告知し、新型iPhone発表である事すら公表しません。実際のiPhone端末も発売日まで実物を見る事はできず、それはキャリアショップや販売店のスタッフも同様です。
他のスマートフォンでは、事前に商品説明会等を集合型で実施したり輪店するなどして勉強会を実施しますし、モックと言われる見本品やデモ用の実機が発売前に配布されます。
又、AppleはiPhoneのブランド力を安売りしません。かつてiPhone取り扱いキャリアがソフトバンクだけだった時代を覚えているでしょうか?。その頃ドコモも日本でいち早くiPhoneを取り扱う為にApple社と交渉していました。
しかしApple社は、販売に関しAppleの意向を飲んでくれるキャリアにしかiPhoneを取り扱わせるつもりはありませんでした。
残念ながら当時ドコモは契約をする事はできませんでした。しかしそれは、数年間ドコモを苦しめ続けたのはご存知の通りです。
Appleと契約できたソフトバンク、その後契約する事になるauとドコモ。そのAppleの意向をそのまま受け入れる事になります。
それは、プロモーションから販売台数(ノルマ)等です。
プロモーション面では、Apple社の考えるプロモーションでしか販促活動ができず、その取り決めは厳しい物でした。分かり易いところで言うと、iPhoneやiPadのテレビコマーシャルを観たことがあるでしょうか?どのキャリアの物を見ても同じ映像で、違うのは最後に1秒も写らないキャリアのロゴだけ。
今でこそ、多少の自由度が与えられるようになって来たようですが、それまではAppleが作成した映像もしくはAppleがOKを出した物しか放映できず、OKをもらえたとしてもキャリアの考える内容とはかけ離れていました。
又、紙媒体のプロモーションでさえも、iPhoneという言葉自体に取り決めがあり、「iPhone」という文言が使用不可の場合は、「話題のスマホ」という表現にしたり、iPhoneの本体画像の独自利用不可(決められた画像以外は使えない)、iPhoneを掲載している同面に他のスマートフォン訴求は不可等、かなり厳しいApple社の制約があります。
店頭でのプロモーション手法も、厳しい取り決めがあり、iPhoneを問い扱うショップや販売店は必ず店頭入口から入って最初に目に入る場所にiPhone用什器を使って決められたように配置する事等があります。独自POP等も絶対NG・最新のファームウエア、通信可能状態の維持等、それは随時写真報告がある程です。
報告は全てチェックが入り、NGの場合、最悪取り扱いの権利がはく奪されてしまいます。
他にも一定期間中で販売台数を達成しなければならない事もあります。キャリアとAppleとの契約もそうですが、取り扱いのあるキャリアでそのショップであってもAppleの定める期間中に一定台数の販売が無ければ、取り扱いを認めてもらえません。
そう、Appleはキャリアに、iPhoneを一番に考えてもらえなければ取り扱いさせない考えなのです。Appleは自社商品のブランド力を情報規制・プロモーション・販売台数によって築いてきました。
iPhoneの商品力
iPhoneはAppleによるブランディングだけで人気になったのでしょうか?それは違います。あれだけ強気のブランディングをするためには、それだけの商品があってこそです。
iPhoneは「iPhone 3G」が出発地点です。AppleはiPhone 3Gを発売する前にiPodで世の中を席巻していました。そうです。かつてソニーがWalkman(ウォークマン)という商品で世界の携帯型音楽プレーヤー断トツのトップシェアを誇っていましたが、Apple社のiPodからその座を奪われてしまうのです。
その後、iPod Touchが発売され、インターネットやアプリと呼ばれるアプリケーション(機能)を追加できる画期的な音楽再生プレーヤー&情報端末が登場し、iPhone 3GはiPod Touchに電話機能を付けたものでした。
瞬く間に話題になり、iPhone 3Gを持っている事が一種のリテラシーの証ような存在になっていたと言っても過言では無かったと思います。
アプリは幅広く、面白おかしかったり、今までになかった便利な物が次々に登場し、スマートフォンの走りとなりました。PDAと呼ばれる端末はありましたが、完全にビジネス向け端末であり、アプリの幅広さにおいて一線を画していました。
その頃から既にiPhoneのブランド力と商品力は形成されていたのではないでしょうか。
また、その後発売されるiPhone4からは、それまで誰もしようとしなかったアルミの削り出しによる筐体の作成が、商品力を飛躍的に上げたと思います。
それまで携帯電話や、小型のノートパソコン等の持ち運び可能な機器の筐体は、強化プラスチックを型枠に流し込んで表と裏を付け合わせる手法が主流でした。ですが、iPhoneは1つのアルミのブロックから1つ1つ削って作るという、それまでに無かった手法で作られるようになったのです。
削れば削りカスが出て、カスは無駄となります。一見無駄が多い作り方ですが、それで手に入れられる質感や上品さはそれを超えるものでした。
筐体繋ぎ目の精巧さも間違いなく手伝っていました。どうしても出てしまう筐体同士の繋ぎ目。強化プラスチックで製作された物は段差や隙間が生まれます。しかしAppleは、デザイン面の精巧さにも他社に無いこだわりを持って製作され繋ぎ目による段差は皆無でした。
アルミボディとなったiPhoneは、背面ガラス化も加わりチープさの欠片もなく、上質さは他を寄せ付けませんでした。それに伴い新しい機能やホームボタンの使い勝手の良さ等から、シェアを伸ばしに伸ばし人気のデバイスになっていったのです。
iPhone Xからはホームボタンが無くなりましたが、ホームボタンが備わっていた時期までに使い勝手の良さは世間に広まっていて、iPhoneの人気は既に定着していました。なのでホームボタン廃止による影響は殆ど無かったと思われます。
他には、拡張性のあるAndroidスマートフォンとAppleのサービスの枠組みにある程度縛られているiPhoneという傾向がありますが、拡張性があるが故に分かりづらくなるAndroidスマートフォンに勝る分かり易さでユーザーに受け入れられてきたのではないでしょうか。
まとめ
今でも新しい機能や使い勝手を追求し続けるiPhone。常に業界をリードし続けてきた事は間違いありません。
これからも、誰も発想できなかったような事やワクワクするような機能を提供してほしいと思います。
●スマートフォンの先駆けとして常に業界をリードしてきた存在のAppleのiPhone。