SIMフリー版iPhoneとキャリア版iPhoneどちらが良いのか?
目次
iPhoneには、Apple Storeで販売されている物と、取り扱いある各キャリアから販売されるものがあります。
Apple Storeでは、キャリアの契約と紐づいたiPhoneを買う事もできるので、ここではApple Storeで購入するSIMフリー版iPhoneとキャリアショップで購入するiPhoneのどちらが良いのか、メリットとデメリットを解説してみます。
SIMフリーとは
SIMフリーとは、SIMロックが解除されている、もしくはSIMロックがかかっていないスマートフォン(iPhone)の事を指します。
SIMとは、subscriber identity moduleの略で、契約者固有のIDが書き込まれたICカードです。SIMカードを機種に差し込む事で、通信や通話等キャリアのサービスが受けれるようになっています。
機種変更した時は、旧機種からSIMカードを抜きだし、新機種の方に差し込む事で機種変更ができ、誰でも簡単に抜き差しが可能です。
国内キャリアから販売されいるガラケーやスマートフォン・タブレットには、他社のSIMカードを入れても通信できないようSIMロックがかかっています。
なので、SIMカードを差替えたからと言って契約キャリアとは違う機種を利用する事はできませんし、他のキャリアのSIMカードを入れて利用する事はできません。
近年では、購入後一定期間経過すると(大手キャリアは概ね100日経過後)、条件を満たせばSIMロックを解除する事ができるようになっていて、ロック解除後に他社のSIMを入れて他社契約で利用する事ができます。
SIMフリー版iPhoneのメリット
SIMフリー版iPhoneとは、SIMロックが解除されているiPhoneの事を言いますが、Apple Storeで購入するiPhoneは、基本的にSIMフリーです。
SIMフリー版iPhoneさえあれば、どこのキャリアのSIMでも差して利用する事ができるのがメリットです。
なので、iPhoneの取扱いが無い格安SIMでもiPhoneを利用する事ができます。
大手キャリアと契約がある人は、それとは別に格安SIMの契約を保持する事になるので必ずしもメリットにはなりません。
格安SIMに乗りかえ・格安SIMの契約がある人・これから契約する人には、メリットという訳です。
もう1つ、iPhone 12シリーズだとキャリア版よりも安いというメリットがあります。しかし、これについては、状況により当てはまらない場合もあるので後述しています。
SIMフリー版iPhoneのデメリット
iPhone 12シリーズの場合で説明すると、キャリアの残価設定型プログラムを受ける事ができないというデメリットがあります。
ドコモではスマホおかえしプログラム。auはかえトクプログラム。ソフトバンクはトクするサポート+。
これらは、指定の分割払いを選択し、一定分支払い後に機種変更するかそのまま使い続けるかが選べ、機種変更の場合は残りの分割残金が不要となるサービスです。
一定期間後に機種変更する場合だと、ドコモのスマホおかえしプログラムなら36回払いの内の最大12回分。auは24回目の支払い(iPhone12シリーズだと機種代金の約46%※2020年11月現在)が不要。ソフトバンクは48回払いの内の最大24回分が不要となるため、ややApple Storeの方が安いはずの価格差は大きく逆転します。
下表では、iPhone12シリーズのApple Store(SIMフリー版)の販売価格、ドコモオンラインショップ(キャリア版)の販売価格、ドコモのスマホおかえしプログラムを24カ月目に利用した場合に、結果的に支払う事になる機種代金をまとめています。
ドコモショップ店頭の価格とは、異なる場合があるので注意してください。
Apple Store価格 | ドコモ価格(オンラインショップ) | スマホおかえしプログラム利用時(24カ月目利用) | |
iPhone 12 mini 64GB | ¥82,280 | ¥87,912 | ¥58,608 |
iPhone 12 mini 128GB | ¥87,780 | ¥95,832 | ¥63,888 |
iPhone 12 mini 256GB | ¥99,880 | ¥110,088 | ¥73,392 |
iPhone 12 64GB | ¥94,380 | ¥101,376 | ¥67,584 |
iPhone 12 128GB | ¥99,880 | ¥109,296 | ¥72,864 |
iPhone 12 256GB | ¥111,980 | ¥123,552 | ¥82,368 |
iPhone 12 Pro 128GB | ¥117,480 | ¥129,096 | ¥86,064 |
iPhone 12 Pro 256GB | ¥129,580 | ¥142,560 | ¥95,040 |
iPhone 12 Pro 512GB | ¥153,780 | ¥169,488 | ¥112,992 |
iPhone 12 Pro Max 128GB | ¥129,580 | ¥142,560 | ¥95,040 |
iPhone 12 Pro Max 256GB | ¥141,680 | ¥156,024 | ¥104,016 |
iPhone 12 Pro Max 512GB | ¥165,880 | ¥182,952 | ¥121,968 |
Apple StoreのSIMフリー版とドコモ版には、5,632円~17,072円の差があり、ハイスペック・大サイズになる程、価格の差が大きいようです。
大手キャリアと契約している人は、スマホおかえしプログラムのような残価設定型プログラムを利用する場合、特別な事情が無い限りSIMフリー版を買うメリットはありません。
しかし、スマホおかえしプログラム利用のデメリットを1つだけ挙げると、プログラムを最後まで利用することなく全額完済しない限り、iPhoneの所有期間がプログラム利用時までだと言う点です。
ここは、人によって価値観が違う部分だと思います。
大手キャリアと契約のある人で、ずっとiPhoneを所有していたい人は、安いSIMフリー版を購入するメリットがここで生まれ、ハイスペック・大サイズなiPhoneになる程、キャリア版より安く買った事になります。
アフターサポートと補償(保証)サービス
「困ったときにどうするか」という事をいくつかのケースで考えていきたいと思います。
操作で困った時
キャリア版iPhoneを購入した場合は、可能な限りキャリアが対応します。キャリアショップやキャリアのコールセンター等で対応できない場合は、Appleのサポートセンターに問い合わせする事になります。
基本的な操作方法なら、キャリアショップかキャリアのコールセンターで概ね大丈夫でしょう。
しかし、個別のアプリの操作については、アプリの提供者が違う為キャリアショップ・キャリアのコールセンター・Appleサポートセンターいずれも断られる可能性が高いです。
※キャリアショップの場合、操作内容によっては有料になる場合もあります。
SIMフリー版の場合、基本的にApple Storeもしくは、Appleサポートセンターに問い合わせる事になります。
Apple公式サービスプロバイダーと言う、Appleが認定している代理店でも案内を受ける事ができるでしょう。
しかし、いずれにせよ、実店舗がキャリアショップと比べ極端に少ないという難点があります。
その分電話対応には、素晴らしいものがありますが、電話口で案内してもらうのと、対面で案内を受ける事にはどうしても埋まらない差があるのはご存知の通りでしょう。
ここで重要なのは、困ったときの駆け込み寺的な場所が近くにあるか。無くてもサポートセンターとの電話で解決する覚悟があるかと言う点です。
故障・破損・紛失・盗難被害した時
これも、操作で困った時と同じです。
違うのは、補償サービスを受ける事になる場合です。
故障や破損した場合、SIMフリー版だとApple Care+。キャリアだとキャリアの補償サービスを受ける事になります。
持ち込むお店も、SIMフリー版はApple StoreもしくはApple公式サービスプロバイダー店です。Appleサポートセンターと電話のやり取りでも可能です。
キャリア版の場合は、修理のできるショップが限られていますが、故障かどうかの切り分けや補償サービス利用の際は対応してくれます。加えてApple StoreとApple公式サービスプロバイダー店でも対応してくれます。
やはり、キャリアの店舗網+Apple系サポートだとキャリア版に優位性を感じます。
補償サービスの料金体型(Appleとドコモ比較)
修理代金や本体交換には補償サービスの加入が必要です。SIMフリー版で加入する事になるApple Care+とドコモのケータイ補償サービスを、iPhone 12シリーズを例に挙げてみてみます。
Apple Care+の場合は、iPhone12 miniとiPhone 12が、16,800円。これを紛失盗難プランにすると18,800円です。
iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxが22,800円。紛失盗難プランにすると24,800円になります。
これを24回月々払うか、一括で払うかを選択できるようになっています。
Apple Care+は、基本的に24カ月間の補償(一部違うものもある)です。1カ月単位で延長する事もできるようです。
キャリアの補償サービスは、基本的に月額料金を払っていきます。払っている間はずっと補償が効く仕組みです。
ドコモのケータイ補償サービスは、iPhone 12 miniとiPhone 12が月額750円。 iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxが月額1,000円です。
払い続けている限り補償が効きますが、Apple Care+の24カ月間で考えるとiPhone 12 miniとiPhone 12が18,000円。iPhone 12 Pro Maxが24,000円という計算になり、若干Apple Care+よりも安くなっていますが、ほぼ同等レベルと言っていいでしょう。
※ずっと補償が効くとありますが、修理部材の関係で修理可能期間があり、必ずしも当該機種の現状回復を補償する事ができない場合もあります。
アフターサポートや補償サービスの使い勝手を考慮してSIMフリー版とキャリア版を検討してみてください。
最後に
・大手キャリアと契約のある人で残価設定型プログラムを利用する可能性がある人キャリア版iPhoneがおすすめ。
・大手キャリアと契約がある人で残価設定型プログラムを利用しない人は、アフターサポートの受けやすい方がおすすめ。
・大手キャリアと格安SIMの両方に契約がある人は、ハイスペック・大サイズなiPhone(12シリーズ)になる程、SIMフリー版がおすすめ。
・格安SIMの人は、SIMフリー版。(当たり前ですが)
以上の事を参考に、SIMフリー版iPhoneかキャリア版iPhoneを選んでもらうといいと思います。