ミリ波って何?。なんちゃって5G?
良く聴くようになった「ミリ波」。実は、このミリ波、5Gと深い関わりがあるのをご存じだったでしょうか?
同じくよく耳にするようになった「5G」。5Gとは、第5世代の移動通信システムの技術の事を総称して言いますが、ミリ波との関係次第では「なんちゃって5G」になりかねない事になるのです。
電波とは、3THz(テラヘルツ)(=300万Mhz)以下の電磁波の事を言います。空間を伝わる電気エネルギーの波の事を周波数と言います。1秒間に波が何回繰り返されるかの数をHz(ヘルツ)という単位を付け呼びます。
ちなみに3THz以上の電磁波の事を光と呼びます。
ラジオも電波を使った放送ですし、地デジやワンセグ・フルセグ放送も電波ですし、レーダーも電波です。利用目的に応じ使用する周波数帯が決めれれていて、携帯電話も使用する周波数帯が決められ、国(総務省)から割り当てられているのです。
この、周波数帯のミリ波と呼ばれる帯域がこの度、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの国内4大キャリアに割り当てられ、5Gを目的とした利用に活用されることになりました。
既に開始されている5Gサービス。5G対応スマートフォンも続々登場しています。
このミリ波の周波数帯は、30Ghz~300GHzの事を指し、電波の1波長(電波の波の1つの長さ)が1~10mm(ミリメートル)の「ミリ」から「ミリ波」と呼ばれています。
4大キャリアに実際に割り当てられた周波数帯は、30GHzより少し下の周波数帯で28GHz周辺ですが、大よそ30GHzである事からミリ波と呼ばれるようになりました。
電波は、周波数が高くなればなるほど直進性が高くなり障害物に弱くなります。ミリ波も非常に高い周波数帯であるため直進性が高い電波です。又悪天候にも影響されやすく遠くまで電波が届かない特性をもっていて、扱いが難しいとされています。その反面、非常に大きな情報を伝送する事ができるという特性もあるのです。
ちなみに、4G(LTE)通信を使用している周波数帯は、2GHz帯が主で、3G通信は800MHz帯(プラチナバンド)が主でした。それからするとミリ波の周波数は随分と高い周波数である事が分かります。プラチナバンドと呼ばれる周波数帯が主に使われていた時代は、少ない基地局でも遠方に届き易く、回折しやすく、減衰しにくいという正にプラチナのような周波数帯でした。
そして現在の5G。ミリ波を使って5G通信出来るようにするかしないかという点がポイントになっていて、5G本来の特性である(高速・大容量、低遅延、多数接続)を最大限に引き出そうとするとミリ波の利用が不可欠となるのですが、前述の通りミリ波は扱いが難しく、基地局などのインフラ面で十分とは言えない状況から、当面は5Gの通信を従来の4G電波で使うという事になっています。
ミリ波対応端末で、ミリ波エリアであれば真の5Gを体感する事ができますが、ミリ波非対応5Gスマートフォンであれば従来の電波で新しい5Gを使う事になり、言わば「なんちゃって5G」になってしまいます。良く言えば「ハイブリッド」?。
ミリ波で5G通信ができてこそ真の5Gという事です。
国内で発売されている5Gスマホの内、ミリ波対応は極一部となっていて、先日発表となり発売されたiPhone 12シリーズもミリ波対応は、米国のみと言われ、日本国内発売のiPhone12シリーズはミリ波非対応です。
現に、それぞ5Gだ!と言えるほどのスマートフォンやサービスやアプリが話題になっていない事も裏付けています。
おそらく、「5G」という言葉だけが独り歩きしていまい、世界で5Gの実用化をどの国が最初にやるか等の覇権競争が過熱化した事も原因にあるように思います。
良い方に考えるならば、まだまだこれからが面白い5Gという事になり、期待度は未知数です。
5Gスマートフォンがミリ波対応か非対応かで、通信できるデータの量やスピードが格段に違ってくる事をお分かりいただけたでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。