「携帯料金値下げ」どう影響する?

今、盛んに報道されている携帯料金の値下げ。ユーザーにとっては、単純に支払いが減ってうれしい!・・・のですが、そう喜ばしいだけでも無さそうな事情もあるようです。この記事では、携帯料金が値下げしたらどんな影響があるかを整理してみました。

これまでの経緯

菅首相が内閣総理大臣になる前から推し進める携帯電話料金の値下げ。2018年に「日本の携帯電話料金は4割下げる余地がある」と発言し話題になってきました。それが菅政権が誕生し、一気に値下げ本格化の動きがでてきました。

それまでも過去、携帯電話等の通信業界には、度々政府からメスが入れられてきました。過去記憶しているのは、2015年に監督官省である総務省から、2年縛り契約について廃止の要請から、消費者に誤解を与えやすい実質0円の是正。解約金の上限額設定。定期契約しなった場合とした場合の料金差の上限額設定。過度なキャッシュバックの廃止。クーリングオフ等です。

菅首相が官房長官時代の2018年に「日本の携帯電話料金は4割下げる余地がある」と発言してから、いわゆる「分離プラン」が登場し今日に至っています。2020年9月に菅政権が誕生して間もなくして、携帯料金値下げの話題が再燃し、総理大臣の方針という事で各社は対応に迫られる状態になっている訳です。

キャリア各社は、それに対し値下げを行う方針を表明しています。auは早速、ピタットプラン5Gの料金を10月1日から1,000円値下げしました。NTTドコモは、NTTの完全子会社化を発表し値下げに対応する含みを持たせています。
auのピタットプラン5Gの1,000円値下げは、元々5Gの段階型のプランにおいてドコモと1,000円の価格差(ドコモは段階型プランに4Gと5Gに価格差が無い)があったためそれを修正したものだと思われるので、100%菅首相の方針に対する対応とは考えにくい。

いずれにせよ、NTTとドコモの動きといい、菅首相の悲願でもある携帯電話料金値下げの圧力は大きく、睨まれては困る携帯各社は対応せざるを得ない状況のようです。

値下げしたとすると

値下げは当然、事業者の利益を減らす事に直結します。結果から言うと、値下げして利益が減るとこれまでのようなサービスや品質を保てなくなる事が危惧されるという事です。

これまで1Gから5Gまで、通信技術が進んだおかげで、モバイルライフが昔より格段に便利になってきました。その通信技術はキャリアが研究開発を行い、それに合わせて基地局設置等のインフラ整備を行っていたのです。

その研究開発費や整備費用は当然キャリアの利益から賄われてきたのも事実です。

そこで、今回の値下げ。

キャリアは減った分の利益を、穴埋めするために契約数を増やして補填できるかと言うと、市場自体が飽和状態で期待薄です。

それでなくても、キャリアは本業の通信以外にも活路を見出すために既に動いてきました。例えばドコモだと、決済サービスやdカード等の金融やdTV・dマガジン等の独自コンテンツにも力を入れ、それは保険業にまで及んでいます。

2018年の分離プラン導入(ドコモで言うギガホ・ギガライト)によって、既に利益を大きく失っているキャリア。ドコモでは、分離プランの導入で約4,000億円の利益減とも言われました。

携帯電話料金の平均が1件当たり約8,000円(調査機関により平均が異なります。)と言われていますから、菅首相の言う4割とは3,200円。8,000円に2,000円の端末代金が含まれていたとしても4割に当たる金額は2,400円。

例えばドコモでは1件1,000円の値下げをすると年間約5,000億円の利益が無くなると言われていて、これが2,000円の割引だと1兆円の利益が無くなる計算になります。

つまり、単純に考えた場合ですが、2019年度の営業利益が年間1兆円のドコモだと、2,000円以上の割引で赤字転落という事になってしまいます。
これだと、研究や開発どころではなく、これまで高いエリア品質を維持してきたインフラ。始まったばかりの5Gのエリア拡大。次世代技術の世界的な覇権争い。全国展開する実店舗でのサービスにまで影を落とす事になるのではないでしょうか。

これまで無料で受ける事ができた様々なサービスやサポートも有料化する事すら考えられます。

菅首相も安易に言っている訳もなく、名だたる有識者からのアドバイスもあるでしょうから、そういった事情は織り込み済みのはずです。
これまでのキャリアのお金の”やりくり”や”からくり”だけでは、済みそうにもないようです。業界そのものが大きく転換期を迎えているのは間違いないかもしれません。

あなたは、繋がりにくく遅いけど安い料金と、高いけど早くて繋がる今と変わらない料金、どちらを選びますか?

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